北海道のシャクヤクの育て方|植え付けの深さ・支柱・株分けまで
写真:Photock
シャクヤクほど北海道の庭に向いた花はなかなかありません。耐寒性が非常に強く、雪の下で平気で冬を越し、初夏に手のひらほどの大輪を咲かせます。一度植えれば10年咲き続けることも珍しくない、頼れる宿根草です。失敗のポイントはほぼ一つ、「植え付けの深さ」。そこを押さえれば、道内のどこでも楽しめます。
シャクヤクが北海道に向いている理由
シャクヤク(芍薬)はボタン科の宿根草で、冬にはいったん地上部が枯れ、根で冬を越します。地上に枝を残さないため雪の重みで折れる心配がなく、寒さにはめっぽう強い。冬囲いの手間がほとんどいらないのは、北国のガーデナーにとって大きな魅力です。
しかも、花芽ができるには冬の低温が必要なタイプ。寒さはむしろ味方です。本州の暖地よりも、北海道のほうがのびのび育つ花と言えます。
植え付けは9月〜10月上旬。深植えは厳禁
植え付けの適期は秋、9月から10月上旬ごろです。春植えもできますが、秋のほうが根がしっかり張り、翌年の生育が違います。
最大の注意点は深さです。株元にある赤い芽の上に、土が3〜5cmかぶる程度に植えます。深く植えすぎると、株は元気なのに何年も花が咲かない「葉ばかりシャクヤク」になりがちです。逆に浅すぎると凍害を受けやすいので、目安を守ってください。
場所は日当たりと水はけのよいところ。一度植えたら動かさないのが基本なので、植える前に場所をよく吟味しましょう。
春〜開花期の手入れ

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雪解け後、赤い芽が伸び始めたら生育スタートです。芽出しのころに緩効性肥料をひとつかみ。茎が伸びてきたら早めに支柱を立てます。シャクヤクの大輪は雨を含むと非常に重く、支柱なしではまず倒れます。リング状の支柱が便利です。
つぼみに小さなアリが集まることがありますが、これはつぼみの蜜をなめに来ているだけ。花を食べているわけではないので、駆除は不要です。
大きな一輪を楽しみたい場合は、茎の先端の主蕾(いちばん上のつぼみ)だけを残し、脇のつぼみを摘み取ります。花数で楽しむなら、そのままでもかまいません。
花後と秋の手入れ

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花が終わったら、花がらを早めに切り取ります。種をつけさせると株が消耗するためです。葉は光合成の工場なので、花後も切らずに残すこと。
秋、葉が黄色く枯れてきたら地際で刈り取り、庭の外に持ち出して処分します。枯れ葉を株元に残すと、灰色かび病(ボトリチス)の温床になります。北海道ではこのあと特別な防寒は不要。雪に任せて大丈夫です。
増やしたくなったら秋に株分け
植えて5〜6年たち、花数が減ってきたら株分けのサインです。適期は植え付けと同じ9月〜10月上旬。掘り上げた根株を、1株に芽が3〜5個つくように切り分けて植え直します。ナイフはきれいなものを使い、切り口には殺菌剤をまぶしておくと安心です。
今週末にやること(7月上旬なら)
- 咲き終わった花がらを切り、株元の風通しを確保する
- 支柱と結束のゆるみを直す(葉はまだ茂らせておく)
- 秋に植えたい場所の日当たりを、今のうちに観察しておく