北海道のクレマチスの育て方|系統別の剪定と雪国流の冬越し
写真:takami torao / Wikimedia Commons
「つる性の女王」クレマチスは、北海道でも十分に楽しめます。コツは最初の品種選びにあります。系統によって剪定のルールと冬越しの手間がまったく違うからです。結論から言うと、北国の初心者には「新枝咲き」が断然おすすめ。理由を含めて、植え付けから冬越しまで順に見ていきましょう。
まず知りたい「3つの咲き方タイプ」

写真:Alpsdake / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0・トリミング)
クレマチスは、花をつける枝によって大きく3タイプに分かれます。
旧枝咲きは、前の年に伸びた枝に花をつけるタイプ(パテンス系=カザグルマの系統など)。枝を冬まで残す必要があり、寒風や凍害で枝が傷むと花も失われます。北海道では枝の防寒が必須で、上級者向きです。
新枝咲きは、春に伸びた新しいつるに花をつけるタイプ(ジャックマニー系、ビチセラ系など)。晩秋に地際近くまで強剪定できるため、地上部を雪の下に任せて冬越しできます。雪国との相性が最高です。
新旧両枝咲きはその中間で、早咲き大輪系に多いタイプ。半分ほど枝を残すと花が早く、多く楽しめます。
道内の店頭で迷ったら、ラベルの「剪定:強」「新枝咲き」の表示を目印にしてください。
植え付けの最大のコツは「深植え」
適期は春(雪解け後の4〜5月)か、暑さの引いた9月ごろ。クレマチスは例外的に、深植えが正解の植物です。つるの下の1〜2節が土に埋まるように植えると、埋めた節から新しい芽が出て株立ちになり、病気や凍害で1本折れても株全体が生き残ります。
場所は日当たりのよいところ。ただし「頭は日なた、足元は日陰」が好みなので、株元には低い草花を植えるか、マルチング(株元を腐葉土などで覆うこと)をして地温の上がりすぎを防ぎます。
誘引はこまめに、やさしく
クレマチスのつるは葉柄(葉の柄)で支柱に巻きつきますが、自力では思う方向に伸びてくれません。週に一度、伸びた分を麻ひもでゆるく留めていきます。つるは折れやすいので、無理に曲げないこと。万一ポキッと折れても、節が残っていれば脇芽が伸びてくるので慌てなくて大丈夫です。
系統別・剪定の基本
新枝咲きは、晩秋(または雪解け後)に地際から2〜3節を残して強剪定。これだけです。花後に半分ほど切り戻すと、夏に二番花が期待できます。
新旧両枝咲きは、花後に花から1〜2節下で切り戻し。冬は枝を軽く整理する程度にとどめます。
旧枝咲きは、花後の整理以外は基本的に切りません。枝そのものが来年の花の元です。
北海道の冬越し|雪は敵ではなく味方

写真:Alpsdake / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0・トリミング)
新枝咲きなら、晩秋に強剪定したあと、株元に腐葉土や敷きわらを厚めにかぶせておけば、あとは雪が保温してくれます。積雪下は意外に温度が安定していて、株が凍死する心配はぐっと減ります。
枝を残す旧枝咲き・新旧両枝咲きは、つるをまとめて支柱ごとコモや不織布で巻き、寒風から守ります。オベリスク(つるを絡ませる塔状の支柱)ごと囲うと作業が楽です。
今週末にやること(7月上旬なら)
- 一番花が終わった株は、花から1〜2節下で切り戻して二番花を促す
- 伸び盛りのつるを誘引し直す(台風シーズン前に固定を確認)
- 株元の乾燥チェック。マルチングが薄ければ足す